育児日誌

気分が乗ったので覚えていることを忘れないうちに書いてしまおう。

上の子(2歳9ヶ月男子)は、産まれたばかりのときはおとなしいもんだと思ったけれど、いまでは立派に手がかかる(分だけ可愛らしい?)子に変貌している。

新生児のときは、ともかく母乳を直に吸ってくれないのが困ったけれど、夜泣きなど理由なく泣くこともなく、楽なほうであった。1ヶ月も経つと直接母乳もできるようになった(最初は口が小さいこともあり吸いにくかったのだろう)。それからしばらくして、夕方に苦しそうに泣くようになった。お腹がぽこぽこと音をたてていたり、小さなおならをすると少し楽になる様子があったりしたので、なぜかガスがたまってしまうのだろう。西洋では、ガスが出にくい母乳になるよう、特定の葉物野菜を制限したりするらしい。日本ではあまり聞かないが。ロイテリ菌が効果があると聞いたので試してみたが、継続期間が短いせいか効果ははっきりしなかった。結局、だっこして背中をなでてやり過ごすしかなかったが、成長するにつれて泣かなくなった。ともかく育児は時間が解決することが多い。

バウンサーに乗せていると機嫌がよかったが、身体能力が上がるにつれて、身をよじってバウンサーを抜けてしまうようになり、ジョイントマットを敷いてその上で遊んでもらうようにした。

多くの人が力を入れる離乳食については、食育的なことは考えず、ともかく鉄分を摂ること、アレルギーを検出することに目的を絞って、省力スタイルでいった。母乳にはほぼ鉄分が含まれておらず、離乳食を始める6ヶ月ごろに乳児の体内の鉄が枯渇するため、離乳食は鉄分の補給が重要である。国内の離乳食はあまり鉄にフォーカスしてないので、iHerbで海外の粉状の離乳食を取り寄せた。保育園からクリアすべき食材が渡されるので、順番に砕いて入れていった。どうせ最初のころは味がいまいちわからないので、何を入れようが子どもは食べる。新しい食材の導入はアレルギー出現時に病院を受診しやすいよう平日の朝、というルールにもこだわらなかった。どうせアナフィラキシーで気道が狭窄したら救急車を呼ぶしかないし、皮疹ですむ程度のアレルギーであればいそいで小児科を受診する必要もない。

だんだん運動能力が上がってくるに従って、いたずらに困らされるようになった。ともかく、ボタン類をいじること、隠してあるものを見つけ出すのが好きなのである。本棚をよじ登って部屋の照明を消してしまう。PCの電源を落としてしまう。台所には容易に入れないよう可動式の柵がもうけてあるのだが、親が入ったすきに自分も入り込んで、ガスの火をつけてしまう。乾燥機の電源を切る。お風呂のコントロールパネルをいじって、何度も追い炊きする。いじっては困るものは高い位置に置くのだが、棚をよじ登ってしまうので、彼の行動範囲には大切なものはおけない。食べ物で遊ぶので床も汚れる。仕事と育児の両立でいっぱいいっぱいなのと、自分に片付けの能力がないのも相まって、いわゆる汚部屋でうんざりしながら過ごすことになった。どうせ片付けても汚れると思うと片付ける気にもならない。

言葉の発達は遅いほうであった。最初に覚えたのは「ワンワン」であった。ともかくものを指さしては「ワンワン」といっていた。保育園の近くに犬を飼っている家があり、「ワンワンだよ」と保育士の人が犬を指さして言っていたので、ともかく指さしてワンワンと言えばいいものだと思ったらしい。一歳半健診では、最初に犬を指して「ワンワン」と言ったので、わかっているかと思いきや、ほかの絵に対してもワンワンと言っていたのでありゃりゃという感じだったようだ。とはいえ、この手のことはよくあるよう。

2歳になるころにはイヤイヤが爆発した。我々がすることなすこと気に入らないらしく、ものを投げる投げる。自我が出てきたのだろうか。ともかく大変。わたしの母親には、口で言ってもわからないなら手をたたいたりして止めなさいと言われた。しかし、わたしの性格なのか、イヤイヤにはうんざりするし、疲れるけれど、あまり腹が立つという方向にはいかなかった。それに、子育てに関する研究を読むと、体罰はやっぱりよくないようなのである。特に、子どもは周囲の人を真似るので、体罰で育てれば暴力的になるという説には説得力があったので、体罰は行わなかった。まぁ、口ではどうにもならないので、必要に応じて身体拘束はするけれども。子どもの脳波は大人とは全く違って、大人の脳波を見慣れている人からするとてんかんに見えるほど激しいらしいのである。髄鞘化が不十分なので、ニューロンの興奮が近隣のニューロンに伝わりやすい。かんしゃくが脳の性質に由来するなら、むしろ苦しいのは本人なのだろう。と思うと、大変ではあっても腹は立たない。

2歳3ヶ月のときに、正月を迎え実家で姪やおいたちと過ごしたところ、語彙が目に見えて増えた。大人や同い年の子たちと過ごすのと違い、少し年が上の子どもたちと過ごすのは刺激的なようだ。どうやら、本人の中でヘレンケラーのWater的気づきがあったようで、それからどんどんと言葉が増えるようになり、それとともにやることなすこと気にいらず、ものを投げまくるといった第一次イヤイヤ期は収束していった。それから、「これは~」と周囲のものを指さし、大人に答えさせるのが習慣になった。もう習得した言葉の数は数え切れないほどになっている。車の種類も、最初は清掃車とトラックと救急車を区別していなかったようだが、今は的確に判別できるようになっている。

今は第二次イヤイヤ期とでも言うべき状態に突入している。「保育園にいく」「保育園から帰る」「眠る」といった、状態の遷移に手こずる。保育園に行くときは、洋服を着たり、玄関に移動したり、登園の用意に抵抗する。保育園から帰るときは、遊具を順繰りに遊んだり、ナンバー式の鍵をおしたり、園の門を固定している水の重りをひきずってどかしたり、ともかく遊具やボタンで遊び倒す。そしてベビーカーに乗るのは体をくねらせて抵抗する。眠るときには、何か食べたいとか、飲みたいとか、トイレに行きたいとか言い出して、なかなか落ち着いて横になってくれない。特にトイレに行くことに関しては、我々が断れないのをよく知っていて、なんども行きたいという。そして、服をぬがず便座にも座らずぐだぐだと、幼児用便座に描かれたアンパンマンドキンちゃんを指さしては「これは~」と聞いてくる。そして、儀式的にトイレの便座に座って、トイレットペーパーを股の間からちぎって落として、手を洗いに行って、を繰り返すのである。

それでも、登園や就寝については、どこかのタイミングでスイッチが切り替わって、本人から「行く~」「眠ろう!」と言い出すのであるが(眠るのに関しては、親二人とも眠ることを要求するので、一方が寝かしつけを担当してもう一方は自由に過ごすということができない)、降園については、ベビーカーに乗るのを激しく抵抗するので、30分ほどかかることもあって本当に大変なのである。もう、今ではベビーカーに乗せて帰るのはあきらめて、一緒に歩いて帰ることにしている。途中、人の庭や畑に入り込もうとしたり、自販機でジュースを買いたがったり、文字や塀の模様に興味津々だったり、遠回りの経路で帰りたいといって聞かなかったりするので、まぁ時間がかかるのだが。でも、保育園の庭で遊びたがるのを格闘して押さえて過ごす30分より、目に映るさまざまなものに興味をもって楽しみながら過ごす30分のほうがずっといいだろう。大きくなったら絶対に覚えていないだろうが、こういう瞬間の積み重ねが本人の糧になっているのだ。人が育つのというのは、きっと効率ではないのである。

遊びについては、最初のころは、保育士さんに「絵本と音楽と機械が好きですね」と言われていた。他の子と比べて、やはり特筆すべきなのは機械への興味だろう。ボタンがあれば、保育園のものでも、我が家の中でも、知らないマンションの玄関にあるものでも、とりあえず押しに行く。大人の操作もよくみていて、正確に真似をする。絵本は、親が読むのを聞いているというよりは、自分がめくって親に読ませるスタイル。絵本の中に食べ物が出てくると、つまんで食べるふりをするのが可愛らしい。音楽にのって体を動かしたり、手をたたいたりするのが好きで、最近は歌詞を暗記してかなり正確に歌うようにもなってきた。カワイのミニピアノも、時々みずから演奏していたりする。

好きな動画も時期によって変化している。当初は歌が好きだったが、今は Super JoJo, Baby bus, pepper pigなど幼児向けのアニメーションが好きな様子。ピタゴラスイッチやムジカピッコリーノや6:55など、NHKの番組も楽しんでみているようだ。特にムジカピッコリーノはカポエイラの回が好きなよう。ウルトラマンはより大きな子向けだと思うが、刺さるものがあるのかまじめに見ていた。気分によって見たい動画が違うようで、意にそぐわない動画を選ぶと「違う違う」と言われるが、なかなか何の動画を見たいのかわからない。

夫が幼児向けのゲームを入れたアンドロイドのタブレットを与えたところ、中毒気味に見えるほどのめり込んでいる。アプリ選択の画面で雨が降っているような音がするので、タブレットのことを「みずたまり」と呼んでいる。特にレゴ社のアプリがお気に入りなようで、笑ったり叫んだり、大きくリアクションしながら楽しんでいる。

下の子はおおむねおとなしい。2ヶ月頃までは母乳を飲みまくっていたが、最近は満腹の感覚があるようで、途中でやめるようになった。と、ともに顔もすっきりしてきた。目がぱっちりし、睫が徐々に伸びてきている。上の子と比べて強くカールしていて、目尻で跳ね上がっていて麗しい。太ももが太くなるのも、ひとまずはピークアウトしたようである。手足もすごく長くなって、おそらく現在、身長60CMは超えて65CMに近づいている。

産まれたばかりのころは、首が大丈夫かと思うぐらい横を向いてばかりいたのが、正面を向いたり、人がいるほうに顔を向けることが多くなった。産まれたころは反射に動かされてばかりで自発的な動作に乏しかったのが、徐々に原始反射のくびきから解き放たれてきたようである。興味深そうに周囲を見回して、表情を次々と変化させている。ごく時折、断続的に泣くようなときもあるが(主に便が出ないときのようだ)、満腹のときは基本、手がかからない。最近は喃語がとても激しい。さてどんな子に育っていくのだろうか。