妊娠・出産に関して知っておいたほうがいいこと

  • ものを買いすぎない
    ほかの人が要ると言っているものでも、妊娠・出産の経過はそれぞれ違い、好みも多様なので要るとは限らない。
    近くにドラッグストアがあれば細々としたものはすぐに買えるし、通販サイトでも数日内には手に入るものが多いので、事前に準備しすぎないほうがよいと思う。オーバーサイズの服でもどうにかなる。特にマタニティトップスはあまり必要ない。ニットやTシャツで十分だと思う。ただし、マタニティウェアは、妊婦のスタイルをきれいに見せてくれるデザインになっているので、デザインが気に入れば買うのもよいと思う。
    授乳服も、ボタンを開けたりまくり上げたりすれば授乳できるし、産後2,3週間はほとんど外に出ないのですぐに買う必要はない。季節によってはお腹が丸出しになって肌寒いかもしれないが腹巻きがあれば間に合う。外での授乳の場合も授乳用ケープがあれば事足りる。
    赤ちゃんの服も、必要な枚数は吐き戻しをしやすい子どもかどうかによって違うので4~5セットぐらいあればよい。特に長肌着は生後すぐしか使えないので、最低限でよい。赤ちゃん用の布団も、室温や季節によっては大判のタオルで十分だったりする。布団に直に寝てもらえればベッドも必ずしも要らない。寝る場所に柔らかいものを置くと窒息の原因になることがあるので注意。
  • 母乳育児のメリット・デメリットを知っておく
    母乳は粉ミルクと比べて母子にいろいろといい面はあるのだが、決定的なものではないらしい。未熟児の場合は粉ミルクだと壊死性腸炎のリスクが増えるため、母乳がよいらしい。しかし、正期産の場合は、現代の粉ミルクはよく工夫されているため大きな差はないとのことである。

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    むしろ母乳と粉ミルクは母側にとって大きな差がある。母乳だと体重が減りやすく、生理が再開しにくい。また、母乳をあげている間は女性ホルモンの分泌が減る上カルシウムの排出があるため、骨密度が低下する(母乳育児終了後は骨密度は回復するので、たくさん産むほど骨密度が下がるということではない)。産後に速やかに痩せたい人にとっては母乳育児はプラス、高齢などで次の子をすぐにでも産む必要がある人、骨密度が下がっている人にはマイナスである。特に若い頃に無理なダイエットをして無月経になった人などは骨粗鬆症のリスクが高いため、妊娠を予定しているなら一度骨密度の検査をしておいたほうがいいかもしれない。X線を使うため妊娠後ではやりにくい。
    哺乳の大変さという意味については、母乳は軌道に乗るまで大変だが、乗ってしまえば楽である。ともかくおっぱいを出すだけなので。特に初産は乳頭が固い、母乳が出にくい、吸わせるのに慣れていないなどで大変なので、
  • 母乳については科学的裏付けのある話を信じたほうがいい
    母乳については科学的に証明されていないことが多く、真に受けると気苦労が増える。たとえば脂肪分の多いものは乳腺を詰まらせるから和食を食べろという話があるが、乳腺炎については正しい姿勢で十分に子どもに吸わせることが一番で、食事はあまり関係ない(少なくとも個人的体験としては。体質も関係あるかもしれないが、自分で試してみて詰まる感覚がないのなら食べてよいのだと思う。)せっかくカロリーを多めにとってもやせる時期なのに、必要の薄い食事制限をかけられるのはつまらない。
    桶谷式母乳育児というのが日本ではメジャーなのだが、創立者が戦前産まれなので科学的にアップデートされていない話が多い。桶谷式だと赤ちゃんを起こしてでも3時間おきに飲ませろ、母乳をやめる時には日を決めて、その日までは3時間おきに授乳し、それ以降は一切あげるなというポリシーである。これだと赤ちゃんに飲ませるのが大変なうえ、母乳を中断するときには乳腺が張って痛いし、子どもも急激な変化に戸惑ってしまう。現在、科学的には母乳をあげる間隔は子ども任せでよく、母乳をやめる際にも間隔を延ばしてフェードアウトしていけばいいとされており、こちらのほうが親にとっても赤ちゃんにとっても楽だと思う。桶谷式は乳頭の加えさせ方とか、乳腺が詰まった時のマッサージなどについては参考にすべき点があるので、役にたつところだけつまみ食いするのがよい。
    科学的な裏付けのある話としては、メデラのWebページなどが参考になる。

    www.medela.jp