第一子産後、もろもろ

第一子出産後に書いた文章が発掘されたので掲載。


出産と産後はいろいろ痛かった。
妊娠は比較的楽だった。つわりは軽く、後期の腰痛もほとんどなく、つらいのはお腹の張り(子宮の張りではなく腹筋や皮下組織がパンパンにのばされるつらさ)や眠れないことぐらいであった。出産の準備に入ると、ミニメトロを入れるのが痛くて、点滴のラインもしくしくと痛み、過強気味の陣痛はもちろん激痛だった。麻酔を入れたから産む瞬間は痛くなかったし、会陰縫合も問題なかったけど、直接授乳はそのたび痛く、助産師さんにしてもらった乳頭マッサージももちろん痛かったから声をあげたら自分でやれと怒られた。
産院から帰宅してからは会陰縫合が引きつれてまともにあるけず、乳房はぱんぱんに腫れて熱をもちジンジンちくちくと痛むし、マッサージも我慢したけれどしみじみと痛かった。
赤ちゃんは授乳時に暴れるから、手が乳房にあたるのも痛かった。足がぱんぱんにむくんで膝や足首を曲げるのにも難しくなったのには少々参った。
今は授乳間隔が空いたときの乳腺がきりきりと痛むのと、乳首がブラにつぶされこすれるのが痛い。
出産は病気とはちがって健康な人間に起きるイベントで、幸せなものだけど、痛みや苦痛が多い(生半可な病気より痛いイベント多いんではないか?),(楽しみなこともあるけれど)先行きがわからなくて不安が多いという点では共通しているような気がする。
この痛みは、つらさはいつまで続くのだろうと検索すると、みな同じことを考えるようで、「○○ いつまで」と suggestion が出てくる。
マイナートラブルはつらい。内診台の上では、産科医と対等に話すのは難しい。つらいなかでもめどがつけば乗り切れる。そういうことが、今回わかった。


出産して、赤ちゃんをみていて、時間があっという間に過ぎるものだということに気がついた。
お腹がすいたら授乳するし、泣いたらあやす。機嫌がいいならいいで可愛らしいし、自分で思うようにうごけないのに一人で放っておくのはかわいそうだから、そばによって語りかけたりする。お腹もすくから食べたり食事したりするし、風呂にはいったり歯を磨いたりする。と、まるで時間がない。
赤ちゃんの時間も過ぎていく。産まれたばかりは焦点が合わずどろんとした目が、どこをみているかしっかりわかるようになってくる。いつも手も足もM字型に縮めていたのが、徐々に緩んでくる。顔は、出産後にむくむくに腫れていたのが、一度すっきりしてから、また脂肪をたくわえて頬が落ちんばかりに膨らんでくる。抱っこひもの中にすっぽりと入り込む大きさだったのが、生後1ヶ月半で頭が8割がた出るようになった。それだけお尻とふとももに脂肪をたくわえて座高がのびたのである。
表情もだんだん多様になってきた。機嫌のいいときにすっきりした顔でにこにこと笑うのはもちろんかわいいけれど、泣くときに目も口もくしゃっとつぶれて顔が大きくなってしまったり、下唇を突き出して困った顔したり、寝る前に表情が固まり虚空を見つめたり、ころころと表情が変わる。
授乳後に気持ちよさそうに腕を突き上げるの、本当に可愛らしい。
たぶん、これから今よりもっと可愛らしくなるのだけれど、今の可愛らしさは失われる。一日一日が無駄にできない。