育児日誌2

育児日誌2。

下の子(3ヶ月、女児)は徐々に運動機能が発達してきている。首はすでに座り、自在に動かせるようだ。周囲の景色に興味を持ってあたりを見回しているので、夜はベビーコットに入れているが、昼は少し角度をつけたバウンサーに寝かせて視界を広くとれるようにしている。近くを人が通ると目で追い、目があうとにっと笑ってくれる。あまり手のつけられない泣き方はしない。お腹がすいたときは激しく、お腹の調子が悪いときはうなるように、人寂しいときは悲しそうに泣くので、だいたいなんで泣いているのかわかる。

上まぶたは夫に似て、脂肪の乗った一重なのだが、目を開く力は強くぱっちりとしていて、さらにややつり目なので、普段は目つきが鋭くみえる。笑うと可愛らしいので、表情により顔の印象がかなりかわる。歯がない時期の、赤ちゃん特有の口の、やや締まりのない口の形が可愛らしい。

上の子の同じ時期と違うのは、ともかく喃語が多く、人との関わり合いを求めてくる。喃語の多さは、赤ちゃん訪問で来訪した助産師さんにも指摘された。午前中などひたすら一人で話しているときもある。また、喃語を出しているときに、大人が顔を見つめてよいタイミングで応答すると、喃語で返事を続けてくれる。上の子は、この時期は自分内の快不快と、自由に動きたいという欲求で生きていて、他の人間との関わり合いはそこまで求めていなかったように思うのだ。言葉の多さも、社会性も、やはり男女で違うのかもしれない。

手足が伸びて、背のびをするときも手が頭の上まで伸びるようになった。また、手をじっとみつめたり、両手、両足をこすり合わせたり、ただバタバタと動かすばかりでなく、運動を調節できるようになってきている。

健康については概ね問題がないが、マイナーな問題として異所性蒙古斑と先天性鼻涙管閉塞と脂漏性皮膚炎がある。異所性蒙古斑は右腕、右脚、左肩にある。太田母斑に比べて、異所性蒙古斑は自然消失しやすく、レーザー後の色素沈着・脱失などのトラブルが起こりやすいそうで、治療するかどうかは親の判断によるところが大きいそうだ。大きくなって力が強くなってからの治療は面倒そうなので、色が濃い箇所だけレーザーで焼いてもらった。今は焼いた部分は逆に色素が抜けて白くなっている。先天性鼻涙管は6ヶ月以上にならないと治療対象にならないそうで、目やにが出るのは抗菌薬で押さえて、気が向いたときに治癒を促すためマッサージをしている。脂漏性皮膚炎は髪が生えたところにかさぶたのような皮脂がひっついているので、油でふやかして、少しずつはがしている。

かなり排尿や排便の間隔が伸びてきていて、まだおむつがぬれていないのかとびっくりするときがある。かと思うと、バウンサーに乗せた後、二度も三度も排便が連続し、おむつから漏れているときもある。おむつをSからMに替えても背中からの漏れは続いていて、バウンサーのカバーを三日連続で洗った。カバーは化学繊維のメッシュでできていて、短い時間で渇くが、さすがに毎日となると取り外すのも洗うのも面倒くさい。どうやら排便の勢いにおむつが勝つことは無理なようなので、タオルでお尻からカバーを守る運用にしている。

これから大きくなればまた別のかわいさを獲得するだろうが、意思疎通をもっと取りやすくなると、人より神様に近いような存在であることに起因する今の尊さは薄れていくだろう。

上の子はますますイヤイヤ期の勢いが強くなっている。最近は歯を磨くのに手こずる。自分で磨くのはむしろ好きなようだ。新幹線の絵がかかれたトミカの歯磨きがお気に入りで、何分も自分で磨いている。しかし、親に磨かせるのがいやなようだ。「歯磨き上手かな」という歌に合わせて同年代の女の子が歯を磨いているのをみせて、動画内で親の仕上げみがきに代わるタイミングでこちらでも歯磨きを奪い取り仕上げ磨きをしようとするのだが、なかなか抵抗されてうまくいかない。無理矢理歯磨きをすると、心理的に引きずってその後暴れたり泣き続けたりするので、なるべく同意の下進めたいのだが。何かのタイミングですんなり親に磨かせることがあり、おとなしく磨かせているなと思ったら、終了後にまた怒り狂ったりするのでよくわからない。気に入らないものを遠くにやりたいのか、歯磨きを投げたり、隣の部屋の戸をあけて放り込んだりする。

オムツを脱ぐのもいやなようで、大人を真似ているのか「まだまだ」「ちょっと待って」といって拒否する。うんちが出ていても拒否するので、やっとオムツがとれるころにはべったりと臀部に張り付いていて苦労したりする。

最近は寝るとき専用の音楽(岬巡りや風をあつめてや般若真教など)をかけると寝るモードに入るようになり、寝かしつけは必要としなくなってきたのだが、眠りにつくのは名残惜しさがあるようで、一度寝る体勢に入ったあと、「りんご」「牛乳」「ジュース」など言い出すのが困ったところ。どうも夕食の時点でしっかり食べてくれず、寝る時点で小腹が空いていたり喉が少々渇いていたりする影響もあるようだ。食物や飲み物の要求は多少無視してもいいのだが、トイトレ中なのでトイレの要求は無視しづらいのは困ったところ。実際おしっこをしてくれるときもあるはあるのだが、たいていはアンパンマンのキャラクターを指さしたり、股の間からトイレットペーパーを落としたり、手を洗ったりして遊ぶのが目的だ。

また、いままでなかった傾向として、食べ物でないものをなめるようになってきている。誤飲の原因になるので止めさせたいのだが、親を下の子に奪われたことも影響しているかもしれず、あまり叱るのもなといったところ。

下の子を妊娠して後期に入ったころだろうか、上の子が妙に接触を求めるようになった。保育園の先生からも変化は明らかであったようで、ケアしてほしいと言われた。今もその傾向は続いていて、足に抱きついてきたり、私の膝に体をもたせかけながらゲームしたり、就寝時もやたらと上に乗ってきたりする。下の子の世話を妨害する様子もあり、下の子を抱いているとベビーコットに戻せと訴える。下の子とコットを指さし、「これ、上から、入って!」と連呼するのだ。授乳クッションを引っこ抜いたりして、やや危ないこともあった。幸い、下の子自体に危害を及ぼすことはない。下の子が泣いていると、「赤ちゃん、泣いている」といい、あやせと我々に促すのだが、ただ単にうるさいのだか、下の子を気遣ってのことなのか、いまいちわからない。ただし、いままでは上の子は家庭の中で一方的に可愛がられ、世話を見られる存在であったのだが、下の子が生まれて変化してきたのも確かだ。特に沐浴中は両親とも下の子にリソースを取られるので、自分と一緒にいろと、わたしの足を引きずって自分が遊ぶ居間のほうまで引っ張ったりする。遊び半分だが、「お母さんいない」「眼鏡(夫のこと、お父さんという呼び方はなかなか覚えてくれない)いない」と探し回るような仕草をするときもある。自分と違う家族の存在が、本人の中でくっきりしてきたようである。

ものを指す言葉(「車」「お花」など)の習得はもともと早かったが、最近は色の名前をほぼ習得し、数字も1や0など一部は覚えてきている。少しずつ世界の解像度が増しているようだ。