時が過ぎる

出産して、赤ちゃんをみていて、時間があっという間に過ぎるものだということに気がついた。

お腹がすいたら授乳するし、泣いたらあやす。機嫌がいいならいいで可愛らしいし、自分で思うようにうごけないのに一人で放っておくのはかわいそうだから、そばによって語りかけたりする。お腹もすくから食べたり食事したりするし、風呂にはいったり歯を磨いたりする。と、まるで時間がない。

赤ちゃんの時間も過ぎていく。産まれたばかりは焦点が合わずどろんとした目が、どこをみているかしっかりわかるようになってくる。いつも手も足もM字型に縮めていたのが、徐々に緩んでくる。顔は、出産後にむくむくに腫れていたのが、一度すっきりしてから、また脂肪をたくわえて頬が落ちんばかりに膨らんでくる。抱っこひもの中にすっぽりと入り込む大きさだったのが、生後1ヶ月半で頭が8割がた出るようになった。それだけお尻とふとももに脂肪をたくわえて座高がのびたのである。

表情もだんだん多様になってきた。機嫌のいいときにすっきりした顔でにこにこと笑うのはもちろんかわいいけれど、泣くときに目も口もくしゃっとつぶれて顔が大きくなってしまったり、下唇を突き出して困った顔したり、寝る前に表情が固まり虚空を見つめたり、ころころと表情が変わる。

授乳後に気持ちよさそうに腕を突き上げるの、本当に可愛らしい。

たぶん、これから今よりもっと可愛らしくなるのだけれど、今の可愛らしさは失われる。一日一日が無駄にできない。