第一子・第二子の妊娠・出産の比較

前回の妊娠・出産・産後(退院まで)と今回の比較。

妊娠初期

妊娠初期に関しては、前回は夕方にわずかに食べづわりがあるだけだったのに対して、今回はよだれが出たり、乗り物酔いのようなうっすらとした吐き気があったり、過呼吸気味になってマスクが苦しかったり、だるかったりと、以前よりも辛かった。更衣室が遠く休憩がとりにくかったのも、今回のつらさの一因だった。

妊娠中期

中期は前回も今回もおおむね平穏であった。腹筋が緩んだのか、お腹が出るのは今回のほうが早かった気がする。今回は腹圧と靱帯の緩みのためか途中から鼠径ヘルニアが出現し、鼠径の異物感や鬱血した感じが辛かった。前回は体重増加が全体に緩やかだったのだが、今回はさほど食べていないのに体重の増加の幅が大きいことがあり焦った。

妊娠後期

前回は臨月に足がむくみ、足首が曲げにくかったのだが、今回はほとんど浮腫まなかった。腹部が大きいのは大変だったが、腹筋が緩んだせいか前回ほどはきつくなかった気がする。今回は不快というほどではないがやや胸焼け感があり、妊娠前程度にしか食べなかったので体重増加は緩やかで、最終的には10kg程度の増加で落ち着いた。
今回は途中でコロナにかかり、家に閉じ込められた状態で上の子の世話をみるのが大変だった。ホルモンの問題で夜上手く寝ることができないので昼寝をしたいのだが、上の子が起きている状態では寝るわけにもいかない。夫もコロナにかかり自宅隔離生活ではあるのだが、体調が回復すればリモートでも働かなければならないので、昼ワンオペで辛かった。
前回は妊婦検診で卵膜剥離をされたが、今回は特になかった。前回は自然の陣発を待つ予定だったのに対して、今回は最初から計画分娩の予定だったためかもしれない。

出産

前回はいつ産まれるだろうかとどきどきして、結局予定日を超して誘発分娩となったわけだが、今回は前回とどうせ同じ経過をたどるだろうと予想していたので心のゆとりがあった。
分娩時の痛みに関しては、前回は誘発である程度子宮口が開いてから硬膜外麻酔を始めるスタイルで、麻酔を入れる前の誘発がすごく痛かったが、麻酔後は全く痛まなかった。
今回はあらかじめ硬膜外麻酔をはじめておくスタイルで、前回ほど強い痛みは感じなかったが、出産時は尾骨のあたりがお腹の張りに合わせて痛むのを感じた。もしかしたら全経過を通して痛みゼロにしてしまうと遷延しやすくなるため、スムーズに産むにはどこかで痛みを感じる必要があるのかもしれない。
産む瞬間に痛みがなかったためか、前回は最終的に吸引分娩になってしまい、主体的に産んでいる実感はなかったので、いきんで出している実感のある今回のほうがエクスペリアンスとしてはよかったかもしれない。

産後

前回は面会がなければ食堂でほかの産婦と同席して会話しながら食べるスタイルで、お産もいろいろあるんだと学ぶ機会にはなったが、授乳に時間がかかることと合わせると休む暇がなく大変だった。食事の内容自体は、食事のおいしさを売りにしている産院なのかフレンチ・中華・和食のそれぞれのシェフの顔写真と経歴がバーンと食堂に貼ってあり、パンも食べ放題で豪華だった。もとをとろうと、食べ過ぎてしまったきらいはあるかもしれない。
大規模な産院であることもあり、授乳指導は産婦が部屋に集まって受けるスタイルで、指導を受けるために列に並ばなければならず、時間も短くて気ぜわしかった。初産婦なのでしっかりめの指導を受けるのだが、何しろ授乳は新生児との共同作業であり、習った通りに進まない。指導されたことと現実の授乳との乖離がありもやもやするのだが、後ろに人がいることもありしっかり聞けなかった。産後間もないのに食堂へ授乳部屋へと歩かなければいけないのはあまりよくなかったのではないかと思う。
今回はコロナの影響もあるのか、毎食運んできてもらえて楽だった。味もおいしかった。朝・昼・夕の三食は普通のボリュームだが、3時のおやつと夜食がつくので、その分で授乳に必要なカロリーを稼いでいるのだろう。授乳指導も部屋にきてもらえたので、体が楽だったし、話す時間もゆっくりとれた。「困ったことがあったら呼んでください」と声をかけてもらえたのもよかった。

全体

総合的には今回のほうが前回よりも痛みが少なく、ゆっくりできたので全体的に快適な入院生活だった。今回のほうが産院の対応がわたし好みだったことに加えて、経産婦で余裕があったこともあるかもしれない。前回の産院も、リピーターが多かったようなので、豪華な食事を食べたい人、ほかの産婦とおしゃべりしたい人には向いているのだろうと思う。

第二子出産記録

出産で入院したときに、時間はあるので記録のため経緯を pomera で書き留めていたのだが、第一子のいたずらでSDカードがどこかにいってしまったので、思い出せる範囲で再度文章にまとめてアップしたのが第二子出産体験談第二子出産時の流れ

皮肉なことにブログにアップした直後に、SDカードが見つかったので(SDカードのスロットから引き抜いた直後に、ほかの引き出しに第一子が気を利かせて?入れたようなのだ)、入院中に書いた文章をもう一度アップする。こちらの方が正確かも。

2022/03/21 入院第一日

予定日を4日過ぎたがまだ陣痛の気配はない。前回も超過して40w6dの出産であり、今回も遅れるだろうと最初から言われていた。もともと無痛分娩を希望していたこともあり、本日誘発目的で入院した。
パジャマはワンピースになっていて、168cmの身長だと膝丈になってしまい心許ない。サイズを上げても、横が広くなるだけで丈は変わらないようだ。出産が一区切りついたら家からズボンを持ってきてもらうか。
子宮収縮薬はなんとなく怖いイメージがあるものの、ガイドラインを読むと37-41週のすべてで誘発のほうが待機より帝王切開となる率が低いなど、むしろ誘発のほうが優れているようなのである。出産を早めることで子宮内死亡確率を下げることができること、自宅出産などリスクの高い出産を回避できることはメリットである。あと、個人的にはマンパワーが潤沢で医師の判断能力も優れている平日の昼間に産めることも大きい。41週に入れば胎盤機能を心配しながら待機することになるのだし、それならば早いうちに産んでしまったほうがいい。
本日は15時に入院して、NSTして18Gで静脈路確保して内診してミニメトロ入れて硬膜外麻酔のチューブ入れてNSTして病室に帰ってまたNSTして(歩行中にミニメトロが動くことがあるからとのこと)夕食食べて20時にまたNSTして22時に体温と胎児心音を確認という流れ。
NSTでは一過性頻脈が頻繁に出ていて胎児は元気な感じだが子宮収縮はごく緩いのが時折でるだけ。ミニメトロ挿入後も尾てい骨あたりの痛みがあるものの辛いほどの疼痛はない。明日は午前7時からアトニン(オキシトシン)を始めるとのこと。前回は1日目はプロスタグランジンE2製剤からはじめて、2日目でオキシトシンで産むという流れだったので、本当に経膣分娩できるのかやや不安である。
ミニメトロ挿入時は重い感じはあったものの前回のような辛い痛みはなかった。子宮口は開いていないものの、頸管は柔らかくはなっているとのことなのでそのためだろうか。挿入時に力を抜くように指示されるが、宙に浮き両足を立てた状態で力を抜くのは少々難しい。
脈路は前回と同様、左前腕の橈骨皮静脈からであった。一応手首から10cm程度は離れているので神経損傷のリスクは低い位置だと思うが、今回も挿入部がちょいちょい痛い。ライン自体が疼痛フリーではないものなのか、自分側の問題なのか。
ひとつの苦痛は強いものではないが、左前腕と腰と子宮にデバイスが入っているというのは煩わしい。なんだか自分が衝動的に抜いてしまうのではないかという心配がうっすら浮かぶ。前回出産時は進撃の巨人が最新刊を除き無料で読めるキャンペーンが行われていたので娯楽には困らなかった。(出産にふさわしい内容ではないが。)とりあえずNHK教育流したり、audibleで読み進めていた"Educated"の原文を確認したり、kindle unlimitedで目についた本/漫画をつまみ食いしたりして過ごす。
産んだら産んだでfragileな生き物を管理しなくてはならず大変なのだが、早く出して管から解放されたいという思いも強くなっている。ともかく無事に産みたい。できれば帝王切開も余分な痛みも回避したい。

2022/03/22 出産日

6時台に起きて内診、NST。
子宮口は2cm程度開いており、ミニメトロは子宮口からは抜けているとのこと。
前回は誘発剤で子宮口がある程度開いてから硬膜外麻酔を入れるスタイルだったが、今回は誘発剤使用前から麻酔をかけていくスタイル。
アルコール綿で冷感を確認しながら麻酔を追加していく。だんだん下肢にじんわりした感覚が広がる。変な味を感じたりしないかと局所麻酔中毒のチェックもされる。右下肢に比べて、左下肢の冷感が残っているので、途中で左側臥位になり麻酔を追加したところ無事左にも麻酔がかかった。
Netflix が使えるとのことで、Our planetを流してみる。
誘発剤開始し、だんだん速度を上げていく。子宮の収縮はグラフ上2-3分間隔程度。内診では4cmまで開いたといわれたり、3cm程度と言われたり。張っている感覚はないかと聞かれるが、麻酔がかかっているためはっきりしない。しばらくは自分でお産を進めているというよりは勝手におきる陣痛に任せるばかりで、テレビ電話などしつつ時間をつぶす。陣痛の間隔が狭くなっているのにも関わらず子宮口が開かないので、経膣分娩できるかだんだん不安になってくる。
12時に内診、子宮口の開大は5cm程度。刺激で進行を促すためかかなり手荒にぐりぐりされる。麻酔が効いていなければかなり痛い処置らしい。このままでは進まないだろうとのことで、進行を促すため人工破水される。
尾てい骨が周期的に痛む感覚が生じてくる。耐えられないほどではないがそこそこ痛いけれど、この種の痛みには麻酔が効きにくいのだとのこと。13時前の内診では子宮口7cmとのこと。子宮頸管の模型をみせられる。数字ではわかりにくいが、胎児の頭が7cm出ている状態というのは迫力があるものである。いつごろ産まれるかと聞くと、15時のおやつに間に合うよう頑張りましょうと。そういうものなんだろうか。お産のときに汚れないよう、両脚に防水カバーのようなものをかぶせられる。
13時過ぎに尾てい骨が痛むような感覚が強くなってきたことを伝えると、内診される。全開大とのこと。いきむ練習をする。院長は電話がかからず、ほかの先生が登場。写真をとってくれる総務の人も呼ばれる。
尾てい骨が痛むタイミングに合わせて、いきむことを繰り返す。助産師の人はそのたびに膣口をぐりぐりと手で押し広げているようである。肛門を押さえているような感覚もある。いきむのが上手といわれるがよくわからない。
落ち着いていますねと言われる。まぁ慌てたところで言われた通りにやるしかない。
そうこうしているうちに出産。出てきた途端にしっかり涕泣しており、全身が赤くて、筋緊張もよさそう。ばたばたと臍の緒が切られたり鼻孔から吸引されたり拭かれたりしている。
心拍数も140程度で、アプガースコアは9か10ぐらいだろうか。
お腹をぐりぐり押されたり、臍の緒を引っ張られたりして後産も終了。せっかくなので、胎盤を見せてもらったり、写真をとっておいてもらったりする。胎盤は結構おおきい。臍の緒の捻転の程度は場所によってムラがあり、この程度の緩い捻転でも大丈夫なんだと思うような箇所もあった。
スタッフと一緒にいるうちにお腹の上にのせてみたり乳首を吸わせてみたりする。自分で首を持ち上げてみたり、乳首をがしがし吸ってみたりしてかなり優秀。あまり母乳育児に手間取らないとよいな。

育児記録

第一子(2歳8ヶ月)は、去年の終わりから今年の正月にかけての数ヶ月は猛烈なイヤイヤ期だった。しかし、今年の正月にいとこたちと数日過ごしたのが刺激になったのか、その後急速に言葉が伸びるとともに、どの場面でもイヤイヤというのではなくなってきた。どうやら、正月に彼にとってのヘレンケラーのwater的瞬間があったようで、言葉に意味があるというのがピンときたようである。〇〇ではなく△△がよいという自分の意志があるのに伝わらない、という苛立ちが、言葉を通じて要望を伝えることができるようになり軽減したようだ。しかし、今でも登園や降園、就寝には激しく抵抗される。ステートが変わるのが嫌なんだと思う。降園時は園庭の遊具を全て遊び倒して、さらに何周も繰り返そうとする。ベビーカーに乗せるとき、激しく身を捩らせて抵抗して、10分以上格闘しているようなときもある。園ではおむつやズボンの脱ぎ履きも自分でしているようだが、家ではイヤイヤと逃げてしまって、足をズボンに通すのも難しく、自発的になどとても無理である。園ではトイレも立ってやっているとのことだが、家ではトイレは嫌いではないものの遊んでしまって、なかなかおしっこをしてくれない。

第一子は身体能力がいやに高くて、いつからか食事用のハイチェアに踏み台を利用して自分で乗り降りしだした。危ないといえば危ないのだが踏み台を取り除けば逆により不安定なものを足場にするので好きにさせている。スイッチを押したり、コードを引っこ抜くのも好きで、自分の手に届かないところにあれば、どんどん登っていじってしまう。保育園でも、レゴなどのおもちゃより音響機器をいじるほうが好きなようである。

言葉はあまり早い方ではないが、語彙や文法の伸びは悪くないので心配はしていない。ラ行の活用が難しいようで、「いららない」「のぼるる」などというのが可愛らしい。寝室の戸を閉めてほしいという時、「しまって」という。自動詞と他動詞の使い分けは難しいよう。自分のことを「けいちゃん」(保育園の同学年にけいという子がいる)と呼ぶ。ごく最近までは、夫にもママ、ママと言っていたが、最近ママというのは私や保育士など女性に限定されてきたようだ。ただし、本人が男女の区別をつけているのかはわからない。あまり夫以外の男性に触れる機会もないので。

動画が好きで、YouTubeで一つの動画が終わると次のものを候補から選んで要求してくる。動画に出てくるものの名前(例えばドーナッツ)で指定するのだが、結構細かいものを覚えていて感心する。確実に動画で言葉は増えているのだが、依存性も高く難しい。

第一子のまつ毛はもともと長いのだが、最近さらに伸びてきたような気がする。眠っていたり、伏し目になっている時の様子が麗しい。第二子のまつ毛も伸びてきたが、どこまで伸びるか。

第二子(そろそろ2ヶ月)は、振る舞いはまだ新生児の時と大きくは変わらない。まだまだ原始反射に支配されていて、自分の意思で体を動かすことはできないようである。生まれたばかりの赤子特有の、人というよりは神に近い神聖さを放っていて、抱いていると癒される感覚が強い。ただし、生まれた時から首の力が強く、足も盛んに動かして体にかけたタオルを足許に追いやってしまうほどで、か弱い感じはあまりない。お腹が空くと吸啜反射が起きるのだが、空きすぎると首を振りすぎてしまいなかなか乳首にたどり着かないのが面白い。夜の授乳の間隔が開いてきて、夕方から夜にかけての頻回授乳も授乳効率が良くなったためか収まってきている。

まだ思うように体を動かせない段階でも個性はあり、第一子と比べて吸啜がうまく、泣き声が鋭い。声帯の関係か、第一子と比べてやや泣き声の線が細いのも関係しているかもしれない。目も、第一子が垂れ目なのに比較して吊り目で意思を感じる。頬や顎に肉もついて迫力が増している。正面から見ると頭の幅が細いのに頬が膨らんでおにぎり型なのだが、横から見ると頭の前後が長く違和感が強い。今のところ、存在としてはすごくかわいいものの、肉がつきすぎて客観的にかわいい顔立ちになるのかやや不安だが、考えたって手の打てる問題ではないのであまり深く考えないようにしている。

ともかくじこを起こさず育てることが大事。

第二子出産体験談

  • 入院第一日目(3/21)

 

入院して、部屋はログハウス風で落ち着く感じ。病棟全体が横に広がる造りなので、外の冷気がかなり入ってくる。出産前に着る入院着は前開きのワンピースで、わたしの身長(168cm)だと膝までしかなく、医療従事者以外がみる機会がないとはいえ少し恥ずかしい。産後の服はもっと丈が長く、パンツもセットになっているので問題はないだろう。

NSTを行った後、静脈路を確保したりミニメトロを入れられたり。静脈路は前回と同様で左前腕の橈骨皮静脈に入れられた。刺入の瞬間自体はそれほどではないのだが、留置し続けると結構痛い。神経の分布の個人差の問題か、自分にとって痛い部位であることはわかっていたので事前に言っておけばよかった。ミニメトロ挿入の前の超音波検査でも、やはり子宮頸管長は残っていて、子宮口は開いておらず。前回はミニメトロ挿入がかなり痛かった記憶があるのだが、今回はあまり痛くなかった。

 

左前腕に静脈路、膣にミニメトロ、股間には破水に備えて特大パッドをあてている状態なので、煩わしい。暇なので母に電話すると、運動不足を防ぐため歩けと言われるが、ミニメトロ入っている状態で無理でしょ。

 

夕食は中華料理。

 

  • 入院第二日目(3/22)

本日は朝食なし。

 

ミニメトロを抜去。いちおう子宮口は2cm程度開いていて、子宮口からはミニメトロは自然に抜けていたとのこと。硬膜外麻酔(L2/3)のカテーテルを入れ、オキシトシンを開始。アイスパックを腹や腰、足にあてられ麻酔の効きを確かめられた。臍の下あたりまではなかなか左側の効きが悪いため左側臥位に変更されたりしていた。7時代で4cmまで開大。徐々にオキシトシンの速度を上げていく。外液は100ml/hrで結構な速度。NST上では陣痛が2-3分に一回ぐらいの頻度まで増えてくるが、麻酔が効いているため、痛みや張る感覚は特にない。お腹を触ってみてやっとわかるぐらい。

 

診察室は特大のディスプレイがついていて、普通のTV番組に加えてYoutubeNetflixを見ることができる。コロナで立ち合い出産ができない代わりに、 スマホを固定する台が備えてあり、Zoomなどで家族と話したり、擬似立ち合い出産をすることもできる。結局、人にみられても趣味を疑われず、注意散漫でもよいコンテンツ、ということで

Our planetを見ていたら助産師さんたちの注目を浴びた。正午の内診では、陣痛は頻回にきているものの5cm程度しか開いていないとのことで、激しく内診をされたあと人工破水をされた。破水しないとお産は進みにくいのだとのこと。この内診だけでも麻酔がかかっていなければ悶え苦しむレベルだとのこと。

 

進まないので不安になり助産師さんにいつごろ生まれるか聞くと、昼もスキップしたので三時のおやつが食べられるように頑張りましょうとのこと。そういうものなんだろうか。

 

その後、だんだん尾骨あたりに周期的に尻餅をついたような痛みがくるようになる。麻酔をより強くしてもらえないか聞いたが、この痛みは取りにくいのだということ。どうも無痛分娩では痛みを感じる部位が大きくわけて2カ所あるらしい。

 

おそらくわたしの場合はシングルカテーテル法で、下位のレベルの痛みは取りにくいのだろう。日常で感じる痛みと比べればかなり痛いが、耐えられないレベルでは全然ない。13時前に7cm、それから20分ほどで全開大となり、医者を呼んでスタンバイ。院長先生には電話がかからなかったようで、ほかの医師が立ち会う形となった。ちなみに、途中で子宮頸管模型をみせられたが結構グロテスク。

aucview.aucfan.com

 

準備が整ったので陣痛に合わせて息むように言われ、尾骨の痛みやNSTでの子宮の張りを見ながらいきんでみる。2分ごとに陣痛がくるので結構忙しい。陣痛が強いときは、通常ならば140/分程度である胎児心拍が60/分程度まで落ちるので結構こわい。20分程度指示通りに頑張ったのち、産まれた。3398g。ブレストクローリングも成功して、しっかり乳頭を吸ってもらえた。なかなか力強い。力強すぎてSpO2モニタがずれて頻繁にアラームがなる。胎盤も見せてもらった。結構グロテスク。捻転の程度にも結構ムラがある。

 

念願通りおやつのチョコケーキを食べ、2時間経過観察をして帰室。

第二子出産時の流れ

第一子出産時、自然に陣痛は発来せず、40週4日に入院して同日ミニメトロ、5日にプロスタグランジンで誘発をかけて、頸管熟化は進んできたもののやはり陣発はなかったので6日にオキシトシンで誘発し、吸引分娩で経膣分娩という流れであった。今回も、前回の経緯を考えると予定日より遅れるだろうと妊娠初期のころから言われていた。予測通り、38週時、39週時で子宮頸部はやや柔らかくなったものの、頸管長が保たれている状態であり、NSTで収縮はみられるものの前駆陣痛も破水もなく予定日超過。40週4日で入院して、無痛&誘発分娩を行うという流れになった。

 

なお、無痛分娩は死亡事故の報道などあり危険とのイメージがあるが、自然分娩と死亡率の差はない。

www.nikkei.com

自然分娩と比べて医療介入が入る分、人的リソースがより必要だが、個人的には前もって硬膜外麻酔が入っている分、緊急帝王切開にも対応しやすくて安心であるような気がする。ただし、無痛分娩は自然分娩と比べて帝王切開の率は変わらないものの、微弱陣痛になる傾向があるため鉗子分娩や吸引分娩などの率は増えるそうである(http://www.j-obstet.com/common/images/painless_childbirth.pdf)。

出産前は鉗子分娩や吸引分娩が増えるだけなら大して害はないだろうと思っていたのだが、後で調べると、骨盤底筋群を痛めて尿漏れなどを起こすリスクを増すという話もあるようだ。

president.jp

悩ましいところであるが、個人的には、やはり痛いのは耐え難いし、無痛分娩は産後の回復が早いので無痛分娩を選んだ。
経過の詳細については今後のエントリで述べる。

妊娠・出産に関して知っておいたほうがいいこと

  • ものを買いすぎない
    ほかの人が要ると言っているものでも、妊娠・出産の経過はそれぞれ違い、好みも多様なので要るとは限らない。
    近くにドラッグストアがあれば細々としたものはすぐに買えるし、通販サイトでも数日内には手に入るものが多いので、事前に準備しすぎないほうがよいと思う。オーバーサイズの服でもどうにかなる。特にマタニティトップスはあまり必要ない。ニットやTシャツで十分だと思う。ただし、マタニティウェアは、妊婦のスタイルをきれいに見せてくれるデザインになっているので、デザインが気に入れば買うのもよいと思う。
    授乳服も、ボタンを開けたりまくり上げたりすれば授乳できるし、産後2,3週間はほとんど外に出ないのですぐに買う必要はない。季節によってはお腹が丸出しになって肌寒いかもしれないが腹巻きがあれば間に合う。外での授乳の場合も授乳用ケープがあれば事足りる。
    赤ちゃんの服も、必要な枚数は吐き戻しをしやすい子どもかどうかによって違うので4~5セットぐらいあればよい。特に長肌着は生後すぐしか使えないので、最低限でよい。赤ちゃん用の布団も、室温や季節によっては大判のタオルで十分だったりする。布団に直に寝てもらえればベッドも必ずしも要らない。寝る場所に柔らかいものを置くと窒息の原因になることがあるので注意。
  • 母乳育児のメリット・デメリットを知っておく
    母乳は粉ミルクと比べて母子にいろいろといい面はあるのだが、決定的なものではないらしい。未熟児の場合は粉ミルクだと壊死性腸炎のリスクが増えるため、母乳がよいらしい。しかし、正期産の場合は、現代の粉ミルクはよく工夫されているため大きな差はないとのことである。

    times.abema.tv


    むしろ母乳と粉ミルクは母側にとって大きな差がある。母乳だと体重が減りやすく、生理が再開しにくい。また、母乳をあげている間は女性ホルモンの分泌が減る上カルシウムの排出があるため、骨密度が低下する(母乳育児終了後は骨密度は回復するので、たくさん産むほど骨密度が下がるということではない)。産後に速やかに痩せたい人にとっては母乳育児はプラス、高齢などで次の子をすぐにでも産む必要がある人、骨密度が下がっている人にはマイナスである。特に若い頃に無理なダイエットをして無月経になった人などは骨粗鬆症のリスクが高いため、妊娠を予定しているなら一度骨密度の検査をしておいたほうがいいかもしれない。X線を使うため妊娠後ではやりにくい。
    哺乳の大変さという意味については、母乳は軌道に乗るまで大変だが、乗ってしまえば楽である。ともかくおっぱいを出すだけなので。特に初産は乳頭が固い、母乳が出にくい、吸わせるのに慣れていないなどで大変なので、
  • 母乳については科学的裏付けのある話を信じたほうがいい
    母乳については科学的に証明されていないことが多く、真に受けると気苦労が増える。たとえば脂肪分の多いものは乳腺を詰まらせるから和食を食べろという話があるが、乳腺炎については正しい姿勢で十分に子どもに吸わせることが一番で、食事はあまり関係ない(少なくとも個人的体験としては。体質も関係あるかもしれないが、自分で試してみて詰まる感覚がないのなら食べてよいのだと思う。)せっかくカロリーを多めにとってもやせる時期なのに、必要の薄い食事制限をかけられるのはつまらない。
    桶谷式母乳育児というのが日本ではメジャーなのだが、創立者が戦前産まれなので科学的にアップデートされていない話が多い。桶谷式だと赤ちゃんを起こしてでも3時間おきに飲ませろ、母乳をやめる時には日を決めて、その日までは3時間おきに授乳し、それ以降は一切あげるなというポリシーである。これだと赤ちゃんに飲ませるのが大変なうえ、母乳を中断するときには乳腺が張って痛いし、子どもも急激な変化に戸惑ってしまう。現在、科学的には母乳をあげる間隔は子ども任せでよく、母乳をやめる際にも間隔を延ばしてフェードアウトしていけばいいとされており、こちらのほうが親にとっても赤ちゃんにとっても楽だと思う。桶谷式は乳頭の加えさせ方とか、乳腺が詰まった時のマッサージなどについては参考にすべき点があるので、役にたつところだけつまみ食いするのがよい。
    科学的な裏付けのある話としては、メデラのWebページなどが参考になる。

    www.medela.jp

     



前回と今回の出産の比較

前回の妊娠・出産・産後(退院まで)と今回の比較。

 

- 妊娠初期
妊娠初期に関しては、前回は夕方にわずかに食べづわりがあるだけだったのに対して、今回はよだれが出たり、乗り物酔いのようなうっすらとした吐き気があったり、過呼吸気味になってマスクが苦しかったり、だるかったりと、以前よりも辛かった。更衣室が遠く休憩がとりにくかったのも、今回のつらさの一因だった。

  • 妊娠中期
    中期は前回も今回もおおむね平穏であった。腹筋が緩んだのか、お腹が出るのは今回のほうが早かった気がする。今回は腹圧と靱帯の緩みのためか途中から鼠径ヘルニアが出現し、鼠径の異物感や鬱血した感じが辛かった。前回は体重増加が全体に緩やかだったのだが、今回はさほど食べていないのに体重の増加の幅が大きいことがあり焦った。
  • 妊娠後期
    前回は臨月に足がむくみ、足首が曲げにくかったのだが、今回はほとんど浮腫まなかった。腹部が大きいのは大変だったが、腹筋が緩んだせいか前回ほどはきつくなかった気がする。今回は不快というほどではないがやや胸焼け感があり、妊娠前程度にしか食べなかったので体重増加は緩やかで、最終的には10kg程度の増加で落ち着いた。
    今回は途中でコロナにかかり、家に閉じ込められた状態で上の子の世話をみるのが大変だった。ホルモンの問題で夜上手く寝ることができないので昼寝をしたいのだが、上の子が起きている状態では寝るわけにもいかない。夫もコロナにかかり自宅隔離生活ではあるのだが、体調が回復すればリモートでも働かなければならないので、昼ワンオペで辛かった。
    前回は妊婦検診で卵膜剥離をされたが、今回は特になかった。前回は自然の陣発を待つ予定だったのに対して、今回は最初から計画分娩の予定だったためかもしれない。
  • 出産
    前回はいつ産まれるだろうかとどきどきして、結局予定日を超して誘発分娩となったわけだが、今回は前回とどうせ同じ経過をたどるだろうと予想していたので心のゆとりがあった。
    分娩時の痛みに関しては、前回は誘発である程度子宮口が開いてから硬膜外麻酔を始めるスタイルで、麻酔を入れる前の誘発がすごく痛かったが、麻酔後は全く痛まなかった。
    今回はあらかじめ硬膜外麻酔をはじめておくスタイルで、前回ほど強い痛みは感じなかったが、出産時は尾骨のあたりがお腹の張りに合わせて痛むのを感じた。もしかしたら全経過を通して痛みゼロにしてしまうと遷延しやすくなるため、スムーズに産むにはどこかで痛みを感じる必要があるのかもしれない。
    産む瞬間に痛みがなかったためか、前回は最終的に吸引分娩になってしまい、主体的に産んでいる実感はなかったので、いきんで出している実感のある今回のほうがエクスペリアンスとしてはよかったかもしれない。
  • 産後
    前回は面会がなければ食堂でほかの産婦と同席して会話しながら食べるスタイルで、お産もいろいろあるんだと学ぶ機会にはなったが、授乳に時間がかかることと合わせると休む暇がなく大変だった。食事の内容自体は、食事のおいしさを売りにしている産院なのかフレンチ・中華・和食のそれぞれのシェフの顔写真と経歴がバーンと食堂に貼ってあり、パンも食べ放題で豪華だった。もとをとろうと、食べ過ぎてしまったきらいはあるかもしれない。
    大規模な産院であることもあり、授乳指導は産婦が部屋に集まって受けるスタイルで、指導を受けるために列に並ばなければならず、時間も短くて気ぜわしかった。初産婦なのでしっかりめの指導を受けるのだが、何しろ授乳は新生児との共同作業であり、習った通りに進まない。指導されたことと現実の授乳との乖離がありもやもやするのだが、後ろに人がいることもありしっかり聞けなかった。産後間もないのに食堂へ授乳部屋へと歩かなければいけないのはあまりよくなかったのではないかと思う。
    今回はコロナの影響もあるのか、毎食運んできてもらえて楽だった。味もおいしかった。朝・昼・夕の三食は普通のボリュームだが、3時のおやつと夜食がつくので、その分で授乳に必要なカロリーを稼いでいるのだろう。授乳指導も部屋にきてもらえたので、体が楽だったし、話す時間もゆっくりとれた。「困ったことがあったら呼んでください」と声をかけてもらえたのもよかった。
  • 全体
    総合的には今回のほうが前回よりも痛みが少なく、ゆっくりできたので全体的に快適な入院生活だった。今回のほうが産院の対応がわたし好みだったことに加えて、経産婦で余裕があったこともあるかもしれない。前回の産院も、リピーターが多かったようなので、豪華な食事を食べたい人、ほかの産婦とおしゃべりしたい人には向いているのだろうと思う。